1999年12月、ヘルシンキ欧州理事会で設定された欧州連合(EU)独自部隊の達成目標(HG2003)。2000年12月に明確化されたその具体的な内容は、ペータースブルク任務(→「西欧同盟」)を遂行するために、加盟国が03年までに「60日以内に展開し、最低1年駐留することが可能な最大5万~6万人規模の兵員」を編成しうることとされた。その後、とくに緊急展開能力に重点が置かれるようになる。03年6月に国連の要請に応えて、EUはコンゴ民主共和国での軍事作戦を開始した。この実践を踏まえて、04年2月、ドイツ、フランス、イギリス3国の共同提案で、北大西洋条約機構(NATO)との整合性を図りながらも、能力のある加盟国が先行して、15日以内に展開可能な大隊規模(1500人)のバトルグループ(BG 戦闘部隊)をいくつか創設する案が出された。これを受けて、04年6月の欧州理事会では、欧州安全保障戦略(ESS)が想定する任務(武装解除、対テロ支援、保安部門改革)を新たに加え、BGを含む新しいヘッドライン・ゴール2010が承認されている。非軍事の危機管理能力に関しても07年に文民ヘッドライン・ゴール2010が採択されている。