イスラエル・レバノン間の領土紛争地。イスラエルは、国連安保理決議425に従って2000年5月、軍をレバノン領より撤退させた。しかし、シェバア農地についてはシリア領と主張し、その後も残留を続けている(6月、国連もシリア領と認定)。これに対し、ヒズボラは同地がレバノン領であるとして、イスラエル軍拠点にロケット弾や迫撃砲で攻撃をしている。この問題で、イスラエルはシェバア農地とゴラン高原を分離する土木工事を行い、同農地からの撤退も視野に入れた。06年4月、レバノンのシニオラ首相(当時)は国連を訪問した際、同地はレバノン領であり、シリアも同意していると主張した。これを受け、国連は6月、同農地の範囲画定の合意書作成、レバノン当局によるブルーライン(国連が設定したレバノンとイスラエルの境界線)受け入れの書面作成を求める書簡を発出した。なお、02年6月、ヘブライ大学のカウフマン教授は、フランス信託統治時代の地図、公文書に基づき、同農地はレバノン領と結論付けている。