2009年2月に実施され、リクードを中心とする右派政権が誕生する結果となった選挙。イスラエルの与党カディマの党首のオルメルトは、汚職疑惑の中で08年9月に党首を辞任した。後任の党首となったリブニが連立政権の組閣に失敗し、09年2月に総選挙が実施された。イスラエルの選挙は全国1区の拘束名簿式の比例代表制である。この選挙では定数120に対し33政党が候補者を乱立させた。選挙結果はカディマ28、リクード27と議席を分け、イスラエル我が家15、労働党13、シャス11など、合わせて12政党が議席を獲得した。ペレス大統領は第1党となったカディマに組閣を要請したが再び失敗、第2党のリクードに組閣を命じた。その結果09年3月にリクード、イスラエル我が家、シャス、労働党などの6党による連立政権が誕生した。注目されるのは、政権内にシオニズム思想の強い政党が多く、入植地問題やパレスチナとの和平交渉の進展が懸念されていることである。また、イスラエル国内のアラブ人の人権問題も取りざたされている。