ソ連解体後の中央アジアの地域枠組みは、2004年ころよりロシア主導の機構に再編される傾向が進んだ。1990年代前半期より経済協力の促進を目指しトルクメニスタンを除く旧ソ連中央アジア4カ国で形成された枠組みを前身として、2001年末に結成された中央アジア協力機構(CACO)は、04年10月のロシアの加盟、さらに05年10月のユーラシア経済共同体(EEC。現地ではEurAsECという略語がひんぱんに用いられる)との統合を決定したことで解消。EECに未加盟であったウズベキスタンは06年1月にこれに加盟。また、同年6月、1999年にいったん脱退した集団安全保障条約機構(CSTO)にウズベキスタンが再加盟したことで、EECとCSTOを軸とするロシア主導の重層的な地域機構が構成された。(ただし、2008年10月、ウズベキスタンはEEC加盟国資格の停止を通告)。さらに、10年1月よりEEC加盟国のうちベラルーシ、カザフスタン、ロシアの3カ国によって関税同盟に向けたプロセスが進行。11年7月にこれらの国々は域内関税を撤廃。このほか、キルギス共和国が加盟申請中。
ロシア主導の再編が目立つなか、カザフスタンのナザルバエフ大統領によるウズベキスタン、キルギスとの「中央アジア国家連合」の提唱(05年2月)など、中央アジア独自の枠組みの追求も間欠的ではあるが、ついえていない。また、中央アジア4カ国は中ロとともに上海協力機構(SCO)を構成しているが、同機構の拡大、特にイランの加盟には消極的である。このほか、アゼルバイジャン、ジョージア(旧称グルジア)が加盟するGUAMなどがある。