2012年1月15~16日に実施されたカザフスタン国政選挙。経済低迷に対処できる体制を政権・議会が整えるべきとの理由で下院議員過半数から同院の解散が発意され、大統領が解散を決定。前倒しで選挙が実施された。従来同様、ナザルバエフ大統領と彼が率いる与党「ヌル・オタン」に対する信任投票としての性格が色濃かったが、同時に5年間議会で不在だった野党が議席を得られるかどうかが焦点となった(→「カザフスタン議会の翼賛化」)。また、カザフスタン西部を中心に相次ぐ公権力に対する不満からくる暴動(→「カザフスタンでのテロ・暴動の頻発(2011年)」)の記憶が生々しい時期に実施されたこともあり、投票率や与党への批判票の伸びが注目された。非拘束名簿式による比例代表制にもとづく選挙に、8政党が候補者を擁立。「ヌル・オタン」が前回選挙より約7ポイント落としたものの80.99%の得票で圧勝した(1月17日、中央選管発表)。野党は、民主党「アク・ジョル」と共産人民党が議席獲得のための最低得票率である7%を超えた。しかし与党に対抗するには遠く及ばなかった。