旧ソビエト連邦期に編成されたジョージア(旧称グルジア。→「グルジア呼称問題」)の自治州をもとに形成されている未承認国家。首都はツヒンバリ。人口は約7万人。大カフカス山脈南麓部に位置し、イラン系キリスト教徒である現地民族のオセット人は、山脈を隔ててジョージアとロシア領北オセチア・アラニア共和国に分断されている。旧ソビエト連邦(ソ連)末期に「自治共和国」への昇格を宣言したことで、ジョージア政府と対立、武力紛争に発展した。1992年6月、ジョージア政府と南オセチアを支援していたロシアとの間で停戦が合意されたが、2004年に誕生したジョージアのサーカシビリ政権がジョージアへの統合強化を目指し、再び緊張が高まった。08年8月に起きたロシア・ジョージア紛争を受け、ロシアが国家承認。ロシアの強い影響下にあるが、11年に行われた大統領選挙ではロシアの支援を受けた候補に対し、独立系の候補が決選投票でリードし、最終的に選挙の無効が宣言されてやり直しとなった。現「大統領」は、12年のやり直し選挙の結果当選した旧KGB(旧ソ連の国家保安委員会)出身のレオニード・ティビルティ(ティビロフ)。