1947年3月、教育刷新委員会(委員長は阿倍能成→南原繁)の建議に基づき、日本国憲法の精神に則して制定された戦後日本の教育に関する根本法。前文と11条から成る。前文において「民主的で文化的な国家を建設し、世界の平和と人類の福祉に貢献する」という憲法理念を実現するために、「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成」と「普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造」を目指すという教育の基本理念を明示し、以下、教育の目的と方針(1、2条)、教育の機会均等、義務教育、男女共学(3~5条)、学校教育の公共性と教職員の職責、社会教育(家庭・職場教育など)の奨励(6、7条)、政治的教養及び宗教的寛容さの重要性と教育の中立性(8、9条)、教育行政の中立性・自律性と任務(10条)について規定し、11条で以上の実現のために必要に応じて法令が制定されるべきことを規定している。時代を先取りした優れた基本法で、制定以来一度も改正されなかったが、2000年12月に教育改革国民会議が「見直し」を提言して以来、政治主導による「改正」の動きが強まり、03年3月の中央教育審議会答申及び06年4月の与党・教育基本法改正協議会の最終報告を受けて、06年4月に改正法案が閣議決定され国会に提出され、同年12月15日、「改正」反対や「慎重審議」を求める多数の国民の声を無視した与党の強行採決により可決された。(→「改正教育基本法」)