小学校から中学校までの義務教育を9年間一貫して行う学校(2016年4月、改正学校教育法などの関連法規施行)。心身の発達に応じて義務教育として行われる普通教育について、基礎的な内容から一貫して施すことを目的としている。小中一貫教育の先導的実践において、「中1ギャップ」と呼ばれる、中学に進学した生徒の不適応現象に対する有効性が確認されていることなどをふまえて制度化された。教育課程の系統性・体系性をより組織的に構築できることが期待されている。小学校(前期6年)と中学校(後期3年)の区分の中で学習指導要領を準用することになるが、9年の課程において、子どもの成長の節目に応じて「4-3-2」や「5-4」などと柔軟に学年段階の区切りを設定できる。なお、義務教育学校は学校統廃合を進めるために活用されてはならないとされている。学校選択制実施下において入学希望者が義務教育学校に集中した場合にも入学者選抜は行わないと定められているが、実態として新たな学校間格差が生じるのではないかと懸念される。