職場などで受ける人権侵害となる性的ないやがらせを指す。主として女性が男性から受ける場合が多い。意に反した性的言動を昇進の条件にされ、それに反発した女性労働者が解雇、降格などの不利益を受けるなどの「対価型」と、性的な冗談や容姿、身体などに関する不快な会話をするなどの「環境型」がある。最近では男性が女性から受ける事案も問題になっており、2007年4月施行の改正男女雇用機会均等法では、男性に対するセクハラも含め対策が事業主に義務づけられた。対策を講じなければ、被害者は、男女を問わず労働局に対し個別紛争解決援助の申し立てを行える。厚労省はさらなるセクハラ指針の改正方針を公布し、14年7月施行で同性間のセクハラ対策を、17年1月施行でLBGTなど性的少数者に対するセクハラ対策を事業主に義務づけた。労働局雇用均等室への「男女雇用機会均等法」に関する相談のうち、セクハラ問題が最多で全体の41.0%だった(15年)。14年には都議会で女性議員に対してセクハラに当たるヤジを飛ばした男性議員が謝罪した。衆議院総務委員会でも女性議員が同様のヤジを受け、問題視された。教育研究の場での、権力を利用したアカデミックハラスメント(アカハラ)や、職権を利用したパワーハラスメント(パワハラ)、出産や育児に関わるマタニティーハラスメント(マタハラ)、パタニティーハラスメント(パタハラ)も問題化している。