成人になってから起こる認知機能の障害のために、普通の日常生活が困難になる病態。認知機能とは、情報を集め、記憶し、計算・分析し、判断する能力で、脳の神経細胞がつかさどっている。主なものには、原因不明の脳の変性疾患によるアルツハイマー型認知症、脳血管障害による血管性認知症、レビー小体(特殊なたんぱく質が脳神経細胞にたまったもの)の増加が原因とされるレビー小体型認知症があり、これらは三大認知症と呼ばれる。厚生労働省の2016年版「高齢社会白書」によると、65歳以上の認知症患者数は2012年で462万人おり、高齢者の7人に1人(有病率15.0%)が罹患している。さらに25年には約700万人(5人に1人)に増加すると推測される。