福祉サービス利用や日常的な金銭管理に関して、判断能力の不十分な人の自己決定を支援する制度。成年後見制度もいわゆる「身上監護」を保護の内容に含めているが、介護保険の実施や他の福祉サービスも契約による選択的利用になる方向の中で、手続きのより簡便な支援方法の必要性が高まり、1999年10月に地域福祉権利擁護事業として開始された。また、2000年5月に成立した社会福祉法にも福祉サービス利用援助事業として規定された。対象者は、福祉サービスの利用等について自己の判断で適切に行うことが困難な人で、かつ援助の契約内容については認識し得る能力をもっている人。都道府県社会福祉協議会、またはそこから事業の一部を委託された市町村社会福祉協議会が実施主体となる。契約内容や本人の判断能力等の確認を行う「契約締結審査委員会」および事業の適切な運営を確保するための監督を行う第三者機関が設置されている。実際の援助に当たるのは、本人の生活状況の調査と意思の確認、支援計画の策定、援助に関する契約締結の業務などを担当する「専門員」と、支援計画に基づき具体的な援助に当たる「生活支援員」である。前者は社会福祉協議会の職員、後者は民生委員・児童委員が多い。なお、07年から日常生活自立支援事業に名称が変更された。