希望者全員を65歳まで継続して雇用するよう企業に義務づける、「改正高年齢者雇用安定法」が2012年8月の通常国会で成立した。施行は13年4月1日。厚生年金(報酬比例部分)の受給開始年齢が、13年度から25年度にかけて現状の60歳から段階的に65歳に引き上げられるため、定年後に年金も賃金もない状態を防ぐことが目的。従来も65歳までの雇用確保のため、定年引き上げか、撤廃か、定年後の継続雇用制度の導入が求められていたが、継続雇用制度は労使協定に基づき、企業側が望む人材だけを対象にできた。そこで今回の法改正では、継続雇用制度において希望者全員の雇用を義務づけた。定年制の廃止か、定年延長か、希望者全員の継続雇用の義務化かの三択は、事実上の65歳定年制の実現となる。ただし、これらの雇用確保の対象年齢の引き上げは、改正法の施行と同時でなくてもよく、年金受給開始年齢の引き上げに即して25年度までに段階的に行ってよい。