2015年9月に成立した安全保障に関する法律の総称。自衛隊法など10本の法律の一括改正法と、国際平和支援法の新法からなる。16年3月施行。安全保障法制(安保法制)。その目的は、日本および国際社会の平和と安全を実現するために、切れ目のない体制を整備することにあるとされる。しかし、憲法9条との関係に限っても、自衛隊の活動を拡大する点で課題が多い。第1に、「新3要件」のもとに、集団的自衛権の行使、すなわち、日本が武力攻撃を受けなくても、海外における武力行使を認めたこと、第2に、「戦闘現場」以外ならば戦闘地域でも支援活動ができ、また弾薬の支給や戦闘機への給油が可能になったこと、第3に、「駆け付け警護」、すなわち他国部隊が攻撃を受けたときに、駆け付けて武器を使い救援する活動や、停戦後に武装勢力から現地の住民を守ることにまで広げたことなどは、9条に違反する疑いが強い。