自動車の排ガスと工場の排煙による複合大気汚染に苦しむ名古屋南部地域の公害病認定患者らが、国道を管理する国と中部電力など企業10社に、環境基準を超える汚染物質の排出差し止めと計約82億円の損害賠償を求めた訴訟。2000年11月、名古屋地裁は排ガスの一部差し止めを国に命じ、国と企業に計約3億円の賠償などを命令した。被告、原告とも控訴したが、01年8月全面和解。和解内容は、原告が排出差し止めと賠償請求を放棄し、国は早急な環境基準達成のための施策を講じ、企業は解決金計約15億1800万円を支払う。国と企業は大気汚染と健康被害の因果関係は認めなかった。尼崎公害訴訟の和解に続き、国道の交通量削減が盛り込まれ、自動車の排ガス対策を国に求める流れが定着した。