島根、鳥取両県にまたがる、海水と淡水の混じりあった汽水湖である中海を干拓して、農地の造成と、湖の淡水化による農業用水の確保を図るため1963年に始まった国営事業。4工区は完成したが、淡水化と本庄工区の干拓は住民の反対運動で88年に中断した。約1700haと干拓予定面積の多くを占める本庄工区には約500億円が投入され、堤防などは完成していたが、公共事業見直しで2000年9月に中止が決定。沿岸住民らが干拓事業の中止などを求めた公害調停は、農水省が中海の水質改善に努めることで01年4月に調停が成立した。02年には淡水化も中止が決定。05年11月、中海は、宍道湖とともにラムサール条約の登録湿地となった。