廃棄物の処理及び清掃に関する法律。1970年の「公害国会」で成立。日本の廃棄物の法律は、伝染病の蔓延を防ぐために衛生処理を主眼に1900年に制定された「汚物清掃法」、54年に改正された「清掃法」が元となっている。廃棄物処理法では衛生処理を主眼に作られた以前の「清掃法」から、廃棄物処理事業に伴う二次公害を防止するために「適正処理」という考え方が盛り込まれた。その後適正処理を徹底するために何度か改正されたが、2005年5月成立の改正法では、中国に輸出した廃プラスチックへの異物混入問題などを受け、廃棄物の無確認輸出についての未遂罪・予備罪を創設(→「不法投棄未遂罪」)。輸出通関手続き段階での摘発を可能にし、無確認輸出を行った法人に対する罰金も最高1000万円から1億円に引き上げ、産業廃棄物管理票制度の強化なども盛り込まれた。さらに10年5月にも、産業廃棄物の適正処理や循環利用の促進を図ることを目的とした改正が行われ、一般廃棄物及び産業廃棄物の排出量の削減、再生利用量の増加、最終処分量の削減に取り組むための施策が示されたほか、使用済小型電子機器等、水銀を使用した製品の廃棄物になったときの対応、食品ロスの削減等が取り上げられた。また17年の改正では廃棄物の不適正処理への対応の強化のために、(許可を取り消された者等に対する措置の強化、)紙マニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付に代えて、電子マニフェストの使用を義務付けるなどマニフェスト制度の強化のほか、雑品スクラップ等の有害な特性を有する使用済みの機器(有害使用済機器)の保管または処分事業者の都道府県知事への届出、処理基準の遵守等の義務付け・処理基準違反があった場合等における命令等の措置の追加等の措置を講ずる、などが決められた。