絶滅危惧植物の種子を冷凍保存する事業。環境省が2008年10月に新宿御苑(東京都新宿区)で始めた。環境省のレッドリスト(→「生物多様性」)に掲載される1690種のうち、乾燥や冷凍に向かないものを除き、種子を収集、乾燥させた上で、約-20℃の冷凍庫で保存する。数十年の保存が可能で、特定種が絶滅に瀕した場合、保存種子を発芽させる。全国26の植物多様性保全拠点園が分担して、10年までに日本産絶滅危惧植物種の約55%の保全を図る活動を進めているが、生息地の保全だけでは絶滅を回避するのが難しいと判断した。モデル事業終了後(10年3月めど)も新宿御苑で収集と保存を続け、絶滅危惧植物の種子保存拠点とする。農作物や樹木の種子はそれぞれ農業生物資源研究所(茨城県つくば市)、森林総合研究所材木育種センター(茨城県日立市)で保存されている。