広義には2009年9月の国連気候変動首脳会合での鳩山由紀夫首相の演説における、日本の温室効果ガス2020年25%削減目標(→「25%削減目標」)と途上国への資金・技術援助。狭義には、気候変動問題解決のための途上国支援。演説では、特に脆弱(ぜいじゃく)な途上国や島しょ国の適応対策のため、大きな額の資金が必要で、それを戦略的に増やすため、次の4原則を提唱。(1)先進国が新規で追加的な官民の資金で貢献、(2)途上国の排出削減について、特に支援資金により実現される分につき、測定・報告・検証可能な形での、国際的認識を得るルールづくり、(3)途上国への資金支援につき、予測可能かつ革新的なメカニズムの検討。資金使途の透明性と実効性を確保し、国連の枠組みで資金に関する情報提供・マッチング促進の国際システム構築、(4)低炭素技術移転を促進する知的所有権と両立する枠組み創設。さらに、鳩山イニシアティブの具体化として、小沢鋭仁環境大臣が、09年12月のCOP15(気候変動枠組条約第15回締約国会議→「コペンハーゲン合意」)において、温室効果ガスの排出削減などの気候変動対策に積極的に取り組む途上国や、気候変動の悪影響に脆弱な途上国を対象とする、12年末までの約3年間で官民合わせて1兆7500億円(約150億ドル)の支援実施を発表した。うち1兆3000億円(約110億ドル)が公的資金で賄われる。