鳩山由紀夫首相が2009年9月の国連気候変動首脳会議の演説で表明した、日本の温室効果ガス削減の中期目標。主要国の参加による意欲的な目標の合意を前提に、「1990年比で2020年までに25%削減を目指す」としている。この目標は、世界的な科学者の集まりである気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、温暖化による深刻な影響を回避するためには、「先進国が2020年までに、1990年比で 25~40%削減すること」が必要だと示していることを踏まえている。政府は、COP15(気候変動枠組条約第15回締約国会議)の結果を受けた地球温暖化問題に関する閣僚委員会(09年12月24日)でこの目標の維持を確認し、また、10年1月14日には、通常国会で提出を目指している地球温暖化対策基本法案に、この目標を盛り込むことを明らかにした。法案では、中長期目標として「公平かつ実効性ある国際的枠組みの構築や意欲的な目標の合意を前提として、20年までに25%削減、50年までに80%を削減」を挙げている。目標達成のための特に重要な具体的施策として、(1)国内排出量取引制度の創設、(2)地球温暖化対策のための税の検討(→「地球温暖化対策税」)、(3)再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の創設、なども入れている。