2009年7月に成立、施行された「水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法案」。国の患者基準に満たない水俣病の未認定患者を「水俣病被害者」と位置づけ、対象者には一時金、医療費、療養手当を支給するとした。被害者を救済して問題解決を図るとともに、原因企業チッソ(本社・東京)の分社化による経営形態見直しを目的とする。国が被害を拡大させたと認定した04年の最高裁判決を受け、前文に国と熊本県の責任とおわびを明記。四肢末梢優位の感覚障害や全身感覚障害、視野狭窄(きょうさく)など5症状のうち一つでもある人を対象とする。1995年の政治決着時の対象者約1万人に対し、同法による救済には2011年末時点で約5万人が申請した。申請期限は12年7月末。同法に反対していた水俣病不知火患者会の集団訴訟も10年、和解案に基本合意し、11年3月に和解が成立した。