ダムに代わり、山の保全によって森林本来の保水・治水能力を復元するとした民主党の構想。2000年に提唱した。森林の貯水機能や水源の涵養(かんよう)機能、土砂防止機能により、ダムを超える効果が得られるとしてダム計画を停止し、水管理を進めるとする。09年、前原誠司国土交通相(当時)が「できるだけダムにたよらない治水」を提唱し、国土交通省と農林水産省が「緑のダム法案」の準備を始めた。国土交通省では「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」(座長・中川博次京都大学名誉教授)を設置し、10年9月、中間報告をまとめた。また、前原国交相は09年末、八ツ場ダム(群馬県)の中止宣言をしたものの、中止か継続かで2年間迷走。11年12月、政府・民主党は中止方針を撤回し、建設継続を正式に決定した。