さまざまな生物の遺伝子が持っている資源としての人間にとっての潜在的な有用性のこと。生物の遺伝子は、多様な機能を持っており、医学や生物工学などに応用すれば人間に有用となるものも含まれている。生物多様性条約においては、「遺伝資源から生じる利益の公正・衡平な配分」がその3番目の目的とされている。そのため、遺伝資源を提供する国(主として途上国)の遺伝資源を利用して資源利用国(主として先進国)が利益を得る場合に、その利益の一部を資源提供国(途上国)に公平に配分するための枠組みが模索され、2010年10月に名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で、名古屋議定書が採択された。