2020年以降の各国の気候変動に関する取り組みを示す文書。13年11月にポーランドのワルシャワで開催された気候変動枠組条約(UNFCCC)第19回締約国会議(COP19)において、 15年末にフランスのパリで開催されるCOP21に先立ち、国連気候変動枠組条約事務局に提出することがすべての国に求められた。各国は自主的に温室効果ガスの排出削減目標、目標達成のための対策、適応策などを提出する。目標案には少なくとも以下の情報を含めることが求められている。基準年、実施の時間枠・期間、目標の範囲と対象ガス、計画プロセス、前提と方法論(人為起源温室効果ガス排出量の推計・算定)、吸収源、自国の目標案が各国事情を鑑みてどのように公平で野心的であると考えられるか、自国の目標案が気候変動枠組条約の究極の目的(気候システムへの危険な人為的干渉をなくす)の実現にどのように寄与するか。15年12月末現在、188カ国から160件の約束草案(IND)が提出され、これは世界の温室効果ガス排出量の98.6%をカバーする。日本は15年6月17日、地球温暖化対策推進本部(本部長・安倍晋三首相)において温室効果ガス排出量を2030年度に2013年度比-26.0%(2005年度比-25.4%)の水準(約10億4200万トン-CO2)とする「日本の約束草案(政府原案)」を決定し、国連気候変動枠組条約事務局へ提出した。