石綿(アスベスト)工場や建設業の元労働者や近隣住民、遺族らが、石綿による健康被害は国が規制権限を適切に行使しなかったためとして損害賠償を求めた訴訟。石綿産業が集中していた大阪・泉南地域の元労働者や近隣住民、遺族らが起こした大阪アスベスト訴訟(第1陣)で、最高裁は2014年、国に規制権限不行使の違法があったとして、原告の請求を棄却した原判決を破棄し、大阪高裁に差し戻した。大阪高裁で同年、和解が成立した。大阪アスベスト訴訟(第2陣)も、最高裁が第1陣の判決日と同日、原告の請求を一部認めた原判決を維持する判決を言い渡した。大阪アスベスト訴訟(第1、2陣)の最高裁判決で、1958年5月26日から71年4月28日まで国が石綿工場に局所排気装置の設置を義務づけなかったのは違法とされたことを受け、国は一定要件を満たす被害者に対し、訴訟の中で和解手続を進め、賠償金を支払うとした。