少子高齢化などによって生ずる人口減少や生産年齢人口(15歳以上65歳未満)の減少を補充するために、外国人を受け入れること。2000年3月の国連人口部報告書「補充移民」は、仮定された人口レベルを維持するために、どれだけの移民を迎え入れる必要があるのかを計算している。日本の場合をみよう。いずれも1995~2050年に毎年平均何人の移民を受け入れるべきかを示したものである。(1)日本人口は05年にピークに達し、1億2750万人となる。この人口を維持するには31万人、(2)1995年に最大だった15~64歳の生産年齢人口を維持するためには61万人必要になる。これらの数字は、不法在留者を含めて2007年末現在約230万人の日本在住外国人数から見て、けた違いに大きな数字である。08年8月には、日本政府が批准、発効したインドネシアとの経済連携協定に基づいて、約200人の看護師、介護福祉士候補者が来日したが、これは一つには少子高齢化による人手不足に備えるためであり、広義の補充移民とも言える。