50歳時の未婚率のことで、人口統計学的な計算として、通常45~49歳と50~54歳の未婚率の平均である。男女のうち、普通問題にするのは出産を担当する女性の場合であり、女性の再生産年齢の最後にあたる50歳時の未婚割合を、一般的に一生独身でいる女性の割合がどのくらいかを示す指標として用いる。そこでなぜ45~49歳と50~54歳の数値を平均するのかといえば、第一に、そのほうが直接50歳の未婚率を使うよりも値が安定しているからであり、第二に、往々にして年齢各歳別の未婚率が公的統計表に示されないことがあるからである。日本は戦前皆婚社会であり、生涯未婚率は1~2%程度の非常に低いレベルであったが、2010年の国勢調査によれば、男は20.1%、女性は10.6%のレベルに上昇している。すなわち男性2割、女性1割は結婚しないという非婚社会になりつつある。国立社会保障・人口問題研究所による07年度日本将来推計人口においては、1990年生まれの女子年齢グループが、将来示すであろう生涯未婚率を23.5%と推定している。ちなみに、半世紀前の55年生まれの年齢グループが示した生涯未婚率は5.8%であった。非婚化傾向が今後も進むという基本的考え方は、2011年度の新推計においても変化しないであろう。