一人の女性が一生の間に生む子どもの数を示す指標。合計出生率あるいは出生率と略されることもある。合計特殊出生率は、ある期間(1年間または5年間)の再生産年齢(15~49歳)女性の年齢別出生率の合計として算出される。ただし、この数値が合計特殊出生率として意味をもつためには、再生産年齢において女性が死亡しないこと、年齢別出生率が一定不変という仮定が必要である。現在はこの年齢層の死亡率が非常に低いため、前者についてはほとんど問題はない。しかし、後者については注意がいる。晩産化(出生年齢の上昇)が急速に進んでいるときには年齢別出生パターンも変化しており、女性が生涯生む実際の子ども数に比べ、この指標は低下傾向をいくぶん誇張する性質があるからだ。日本の合計特殊出生率は、厚生労働省の統計情報部が人口動態統計に基づいて算出・公表している。その数値は2005年の1.26を底にやや回復したものの、09年は1.37、10年と11年は1.39と1.3台にとどまっている。