ネットゼロエネルギー住宅。英語の頭文字をとってZEHと略され、ゼッチと読む。住宅における年間の一次エネルギーの消費量が正味(ネット)でゼロになる住宅のこと。一次エネルギーとは、石炭や石油、天然ガスなどの自然界に存在するエネルギーを指す。具体的には、断熱材や複層ガラスなどによって住宅そのものの断熱性能を高める、パッシブデザインによって自然のエネルギーを活用する、省エネ家電や家庭用エネルギー管理システム(HEMS)(→「スマートハウス)」などによって省エネを徹底したり、太陽光発電などでエネルギーを産出(創エネルギー)したりすることで実現する。産業部門でのCO排出量の削減が進んでいるのに対して、住宅部門が遅れていることもあり、国としては補助金制度などを実施してZEHの早期の普及を推進する。
さらに、政府は2016年5月、パリ協定を踏まえて、30年度までに13年度比で温室効果ガスを26%削減、なかでも家庭部門は39%削減することなどを策定した「地球温暖化対策計画」を閣議決定。具体的には、20年までに標準的な新築住宅の過半数のZEH化を目指し、30年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指すとしている。