博多ネギや深谷ネギなど、その地域独自の生産方法や特徴的な味などの付加価値を持つ野菜。近年、消費者の選択眼が厳しくなっていることに対応するとともに、地域ブランドを確立して農業や地域の活性化を図るための戦略として、各自治体が農産物のブランド化に積極的に取り組んでいる。ブランド野菜の筆頭には、京野菜が挙げられる。京都では、明治以前の導入と歴史を有し、近郊で独自の栽培方法で作られてきた野菜を「京の伝統野菜」と定義し、その産地育成を進めてきた。2009年時点で35品目が京の伝統野菜として認定されており(絶滅したもの2品目を含めると37品目)、うち消費者向けに出荷されている13品目と、京の伝統野菜に準じる2品目、京の伝統野菜の基準からは外れるが京都らしいイメージのある野菜8品目の計23品目が「京のブランド産品」としてブランド認定されている(水産物の1品を加えると24品目)。ブランド野菜を定着させるためには、苗の管理から始まって栽培、流通にわたって厳密な指導と検査が求められる。また、ブランドを商標登録する動きも盛んである(→「地域ブランドの商標登録」)。