特定保健用食品は、健康増進法に定められた特別用途食品の一分類である。特別用途食品は、病者や妊産婦、高齢者といった特定の者に対して処方される食品であるが、一般人の保健の用途に適するものとして規定されているものが特定保健用食品である。「トクホ」または「特保」と略称される。制度ができたのは1991年、最初の製品が市場に出たのは93年であった。以来発展を続け、約890品目、2007年度販売額8000億円と毎年20%の成長を遂げている。トクホの特徴は、ヒトを使った試験が義務付けられており、効果がヒトで確認されているところである。そのためにヒトでの試験を行いやすい成分に限定される。トクホの有効成分の大半がオリゴ糖や難消化性多糖類で、効能が「お腹の調子を整える」であるのは有効性が確認しやすいからである。ポリフェノールやCoQ10のように有効性が確認しにくいものはトクホになりにくい。05年に法改正がなされ、特定の成分(多糖類)については個別の承認が必要ない特定保健用食品(規格基準型)が創設された。また、疾病リスクの低減に効果的と医学的・栄養学的に確立されている特定成分については、疾病リスク低減表示が認められる(08年時点では、カルシウムと葉酸)。その他、ヒトでの有効性の確認条件が緩和された条件付き特定保健用食品というカテゴリーもできた。