大豆を発酵した食品には、みそやしょうゆといった調味料と、豆の形を残した食品とがある。東南アジアにはこの種の食品が多い。日本の納豆は細菌(納豆菌)により大豆を発酵させた食品で、インドネシアのテンペは大豆にクモノスカビを繁殖させて発酵する。大豆のたんぱく質がカビの酵素で部分分解してうまみを生成する。テンペは納豆と違って糸を引かずにおいもないので、納豆嫌いの人でも食べやすい。生食はせず、煮たり焼いたりして食べるが、最も一般的な料理はてんぷらのように揚げたものである。大豆たんぱく質の部分分解物であるペプチドを多く含むので、血中コレステロール低下作用や、抗酸化作用などの健康効果も期待される。また、カビの生産するビタミンB12も多い。