アルミ箔を主体とした複合フィルムで成型した小袋に食品を充てんし、100℃以上の加圧・加熱殺菌を施した食品。缶詰と同様に完全殺菌されているので、長期間、常温で保存可能である。包装が薄いので、容器が厚い缶詰よりも加熱時間が短くて済み、缶詰独特の加熱臭が生じない。調理そのままの風味が保たれるのが特徴である。世界では、NASAにおいて宇宙食に初めて採用された。日本では、1968年に徳島県の食品メーカーがレトルトカレーを販売したのが初めである。その後、そのインスタント性から消費が伸び続け、2008年度の日本の総生産量は30万187トン(前年比3.5%増)である。そのうちカレーが13万9626トン(同108.7%増)、ミートソースが5523トン(9.2%減)、パスタソースが3万6245トン(2.8%増)、マーボー豆腐が1万3818トン(8.2%減)、食肉野菜混合煮が1万1223トン(0.6%増)となっている。最近は、朝カレーと称して、朝食にレトルトカレーを利用する家庭も増えている。