2010年11月、文部科学省の科学技術・学術審議会資源調査分科会は、日本食品標準成分表2010を公表した。これは05年に公表された五訂増補版の補足版である。収載食品数は1878と変わらず、収載成分が増加した。増加したものは、ビタミン類としてビオチン、ミネラル類としてヨウ素、セレン、クロム、モリブデンである。これは、先に公表されている日本人の食事摂取基準に合わせるためである。五訂増補版では、食事摂取基準が定められている一部のビタミン、ミネラルが収載されていなかったため、厳密な食事指導が不可能であった。今回の改訂によりその問題が解消された。もう一つの特徴として、たんぱく質含量としてアミノ酸総量からの計算値と、脂質含量としてトリアシルグリセロール総量を併記したことである。これは、FAO/WHOの勧告に従ったもので、将来的には見送られたものを含めて全面採用されるものと思われる。