容器包装詰低酸性食品。厚生労働省では、「密封し、常温で流通させる食品のなかで、pHが4.6を超え、かつ、水分活性が0.94を超えるもので、120℃4分間に満たない条件で殺菌したもの」と定義している。つまり、機密性のプラスチック袋に食品を封入して、中を減圧にして脱気して包装した食品のこと。多くの食中毒菌は、増殖に酸素を必要とするので、脱気することで酸素濃度が下がり、菌の増殖が抑えられる。しかし、レトルト食品と異なり、菌が死滅するまでの高温(121℃)で殺菌を行っていないので、時間経過とともに菌が繁殖する。さらに、生育に酸素を必要としない菌は、増殖が進行する。昨今、真空パック詰め食品とレトルト食品を混同し、長期間の常温保存ののちに摂取したことによる食中毒が増えていることから、厚生労働省は注意を喚起している。とくに強い毒素を持つボツリヌス菌は酸素が少ない状態で繁殖しやすいので、注意が必要。家庭用の減圧包装機(真空パック機)も過信は禁物である。