消費者の権利や利益の擁護・維持などを目的とし、消費者によって自主的に組織された団体または、消費者のための活動を恒常的に行っている民間団体のこと。消費者団体が果たすべき社会的役割については「消費者基本法」(2004年交布)で、消費者団体が消費者教育に果たすべき役割については「消費者教育の推進に関する法律」(12年公布)で規定されている。消費者運動の原点は、1948年、社会活動家・奥むめおが政府配給のマッチが不良品で火がつかないとして不良マッチ追放運動に取り組み、主婦連合会を立ち上げたことにあると言われている。消費者運動は全国で活発化し、52年には全国地域婦人団体連絡協議会(全地婦連)が結成された。全地婦連は、70年の「チクロ入り食品追放運動」や二重価格問題による「カラーテレビ不買運動」など数多くの消費者問題を解決に導いている。日本の消費者団体数は、2011年度の消費者庁の調査によると、全国で2430団体。活動の範囲によって3タイプに分けられ、(1)広域団体は166団体、3146.9万人、(2)県域団体は418団体、2251.6万人、(3)地域団体は1846団体、315.3万人となっている。今後、消費者団体に期待されている社会的役割としては、消費者被害の未然防止から金銭的な被害の回復までの幅広い対応があげられる。06年に改正、07年に施行された「消費者契約法」では、消費者に代わって事業者の不当な行為を差し止め請求できる「適格消費者団体」が認定され(14年末時点で12団体)、改正法施行後6年半で同団体による差止請求訴訟は30件、訴訟・訴訟外で改善された事案は合わせて111件を数えている(13年7月5日現在)。また、13年に公布された「消費者裁判手続特例法」では、被害者に代わって金銭的な被害の回復まで手続きができる「特定適格消費者団体」について規定している。