2018年度の税制改正では、高額な給与や公的年金等を有する人には、それぞれの控除額の上限を引き下げたり、上限を新たに設ける措置を講ずる。しかし、高額所得者であっても特別の事情を抱えている人がいる。また、給与と公的年金等の併給を受けている人がおり、改正後は2つの所得金額の計算で10万円の控除の制限を受ける。このような人については、所得税の負担を緩和する措置を講ずる。これが所得金額調整控除。
特例の対象は、給与の収入金額が850万円を超えており、本人が特別障害者であるか、23歳未満の扶養親族を有する人、特別障害者である同一生計配偶者や扶養親族を有する人。この要件に当てはまる人には、給与の収入金額(1000万円が限度)から850万円を控除した金額の10%を給与所得の金額から控除する。
また、給与所得控除後の給与所得と公的年金等の所得がある人で、その合計額が10万円を超える人も特例の対象となる。給与所得控除後の給与所得(10万円が限度)と公的年金等の所得(10万円が限度)の合計額から10万円を控除した残額を、その年分の給与所得の金額(上記の最初の特例の適用がある場合は、その控除をした残額)から控除する。(→「給与所得控除」「公的年金等控除」)