厚生年金・共済年金に加入している被用者に扶養されている配偶者は、自ら保険料を納める必要がない「第3号被保険者」となるが、配偶者が転退職によって自営業になったとき、配偶者自身の年収が130万円を超えるなどで、第3号被保険者ではなくなった場合には、届け出を行った上で、「第1号被保険者」として自分で保険料を納める義務が生じる。しかし、過去にこの届け出を行わなかったために、実態は第1号被保険者になったにもかかわらず、年金記録上は第3号被保険者のままとされている期間(不整合記録)が発生した。この問題に対応するために、(1)保険料未納期間を受給資格期間に算入、(2)3年間に限り、過去10年分の保険料未納分の追加納付を認める、(3)未納状況に応じ、年金額を10%以内で減額する、(4)すでに支払い済みの過払い分に関しては返還を求めない、という内容の国民年金法改正案が2011年11月に閣議決定された。しかし、12年11月、衆議院の解散により当改正案は廃案。現状は、(1)不整合期間を有する人に第1号被保険者への変更と変更後の年金記録を送付、(2)過去2年以内の保険料を納付してもらう、(3)2年を超えた分の保険料については、12年10月に施行された年金確保支援法の納付期間の延長制度を利用して納付してもらう、などで対応する。