社会情勢や経済などの状況から5年ごとに公的年金の財政をチェックし、「財政の現況及び見通し」を作成すること。2004年の年金制度改革によって、財政の持続可能性をチェックすることを目的に導入された。年金財政が持続可能であるという判断は、(1)17年度に保険料を固定する、(2)モデル年金の所得代替率50%に維持する、(3)100年後に給付費1年分の積立金を保有する、という3条件を満たすことである。09年の財政検証につづいて14年に2回目の財政検証が行われた。14年の財政検証は、経済前提について全要素生産性と労働力率についていくつかの前提を置き、8通りのシナリオを検証し、そのうち5通りで持続可能性は維持できるという結論になった。また基礎年金の給付の低下を抑制するために3つのオプション試算が行われた。14年度以降、財政検証とオプション試算に基づき、年金の持続可能を高めるための改革が国会で議論されることになる。なお、全要素生産性とは、労働と資本の変化で説明できない経済成長要因であり、おもに技術の進歩や効率化などを示す指標のこと。