2004年10月23日の午後5時56分頃発生した、マグニチュード6.8、震源の深さ13キロの地震。ユーラシアプレートと北米プレート間で起こった逆断層地震で、阪神・淡路大震災以後、9年ぶりに震度7が観測された(川口町)。被害の特徴は、直径がおよそ30キロの狭い範囲に被害が限定され、中山間地の61の集落が道路の寸断で孤立し、情報過疎と救援過疎が同時に起こったバーチャルな広域災害だったということである。このような震災は、今後、日本の約70%を占める他の中山間地域でも発生する確率が高い。さらに、本震の後、最大震度5弱以上の15個の地震が短時間に発生した。死者は68人になり、そのうち直接の死者16人に対し、震災関連死は52人に達し、負傷者は4795人、全壊3175棟、半壊1万3810棟、一部損壊10万4619棟を数えた。また、全壊所帯数に対する避難世帯数が阪神・淡路大震災の18倍にのぼったこと、台風23号の豪雨、地震という複合災害になり、3791カ所の土砂崩壊が発生したことである。