日本初の貼付タイプのアルツハイマー型認知症治療薬。「イクセロンパッチ」はノバルティスファーマ(本社・東京都港区)、「リバスタッチパッチ」は小野薬品工業(本社・大阪市中央区)の商品名。ともに一般名はリバスチグミン(rivastigmine)という。従来のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤であるドネペジル(商品名「アリセプト」など)に対し、リバスチグミンはアセチルコリンの分解にかかわるアセチルコリンエステラーゼ、ブチルコリンエステラーゼの両方に阻害作用を有する。その結果、脳内アセチルコリン量を増加させ、コリン作動性神経機能を賦活することでアルツハイマー型認知症に有効とされる。当初は経口薬となる予定であったが、投与時の血漿中薬物濃度の上昇が要因と思われる悪心、嘔吐(おうと)の副作用が多く認められた。そこで、投与後も血漿中薬物濃度を安定的に維持させ、最高血中濃度の抑制と最低血中濃度の上昇を可能にすることで、消化器症状などの副作用を抑えることができるよう、経皮吸収製剤(貼付薬)として開発された。2011年7月に発売。