5月の連休明けごろ、若年層の間で多発する心身の不調。症状としては、学校や職場に出てこれなくなるといったものが典型的である。もともとは大学の新入生に使われた言葉で、入学後1~2カ月たったころに、体調不良などを理由に講義に出てこなくなる学生を「五月病」と呼んだ。当初は厳しい受験戦争に勝ち抜き、入学式も終えてホッとし、目標を喪失したことが背景にあるとされていた。しかし最近では、新しい環境にうまく適応できていない状態だと考えられている。不本意で入学、入社したり、入学した大学や入社した会社が想像していたものと違っていた場合などによく見られる。精神状態としては、うつ病も含まれるが、多くは軽症で適応障害レベルであるが、しばしば抑うつ感をともなう。学校や職場には出て行かないものの、睡眠や食欲に変化はなく、日常生活については支障がない場合もある。精神科などで薬物療法を必要とすることもあるが、心理療法が効果的な場合も多く、いずれにせよ専門家の援助を必要とする。