心身医学を専門とする診療科で、ストレス要因の濃厚な身体疾患や症状が軽い精神障害の治療を行う科目。心身医学は身体面だけではなく、心理社会面を含めて統合的に患者を診ていこうとする全人的医療を目指した医学の一分野であり、それを実践しているのが心療内科である。狭義では主として心身症を扱うが、軽症うつ病などの軽い精神障害も扱う。日本では精神医学の分野からは独立したものとされており、世界中で心療内科という診療科があるのは日本とドイツのみ。ただし、日本において心療内科が標榜科として認められたのは、1996年と比較的最近である。しばしば混同される神経内科は脳、神経、筋肉の病気を扱う内科の一分野で、脳神経外科は外科の一分野である。また、精神科や神経科は精神疾患を扱う専門科である。そのため、神経科や精神科とは別に、心療内科を設置している医療機関が多い。