50年以上の歴史をもつ、日本由来の心理療法。浄土真宗の「身調べ」という修養法をもとに、創始者である吉本伊信が宗教色を廃し、自己研鑽(けんさん)する研修法として普及した。1960年代からは精神医療の現場にも導入され、78年には日本内観学会が発足。不登校や引きこもり、アルコール依存症などの治療に役立てられている。自分の内面を観察し、過去から現在にいたるまでの、自己と他者の関係を問い直すことにより、考え方や価値観の転換、新たな自己の発見がなされると考えられる。医療機関において、医師や臨床心理士の指導のもとで行われる場合や、全国の内観研修所において、泊まり込みで行われる場合がある。