種々の自律神経系の症状を訴えるが、臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害がない状態。「頭が重い」「イライラする」「疲労感がとれない」「何となく体調が悪い」、という自覚症状を訴えるが、訴え(主訴)は主観的で多岐にわたり、客観的所見に乏しい。自律神経失調症と診断されることも多い。精神科的には、うつ病や適応障害、身体表現性障害といった鑑別が必要となる。更年期障害でも、同様の症状が認められることが多い。不定愁訴のように見えても、実際はしっかりとした病気(例えば甲状腺機能低下症のような内分泌疾患)が隠れていることもあるため、器質的な疾患がないか、しっかり精査鑑別することが必要である。