統合失調症治療における多剤大量投与に対する、具体的な減薬方法を明記した専門家向けの指針。2013年、厚生労働省の研究班によって作成された。統合失調症に使われる向精神病薬は、多剤大量処方を行うと、効果は増加せずリスクのみが増加する。副作用も過鎮静、不随意運動、便秘、肥満など、さまざまな症状が出現する。そういったこともあり、多剤大量処方は原則的に行うべきではない。しかし日本では伝統的に、多剤大量処方が行われてきた傾向がある。研究班の調査によれば、統合失調症の入院患者のうち40%以上が、3種類以上の向精神病薬を処方されていた。今回、発表された減薬指針では、適切な投与量や、減薬の具体的な方法などが示されている。なお、この問題は学会も認識しており、12年には日本うつ病学会、日本臨床精神神経薬理学会、日本生物学的精神医学会、日本総合病院精神医学会が、会員に向けて向精神薬の適正使用を呼びかけている。