一つ以上の妄想が1カ月以上持続し、かつ統合失調症の基準を満たさないことを主な診断基準とした精神疾患。統合失調症の場合、幻聴やまとまりのない発語、感情表現が乏しくなったり、意欲が低下する陰性症状などが診断基準に含まれる。しかし、そういった症状はなく妄想だけが認められる場合、精神疾患の診断統計マニュアル「DSM-5(精神障害診断基準)」では妄想性障害と診断される。妄想内容から誇大型、嫉妬型、被害型、身体型、被愛型に下位分類され、アルツハイマー病などによる妄想は除外される。生涯有病率(一生に一度はかかる人の比率)は約0.2%と言われており、妄想内容としては被害型が一番多い。治療は抗精神病薬での薬物療法が標準的である。