脳の下垂体後葉から分泌されるホルモンの一つ。子宮収縮、乳汁分泌などの作用が古くから知られている。医療分野では、陣痛促進剤として臨床的に使用されてきたが、2005年にオキシトシンの鼻腔への噴霧投与によって他人への信頼心が高まるという研究報告が、学術誌「ネイチャー」に掲載された。その報告をきっかけに、ストレスの緩和などの精神作用が注目されるようになった。最近では特に自閉症、うつ病、社交不安障害の治療可能性について期待がもたれている。現在、自閉症などに対する臨床試験が世界中で行われているが、結果に対してはバラツキがある。15年時点では、その有効性や安全性はまだ確立していない。