陽電子放射断層撮影法(PET ; positron emission tomography)による乳がん検査。乳がんの画像診断は、マンモグラフィーと呼ばれるX線診断と超音波検査が主流だが、最近のアメリカで普及してきたのがPEM検査である。がん細胞が正常細胞よりも多く取り込む放射性検査薬を体内に投与して、放射線発生部位を撮影するPETの原理を乳房に特化したものがPEMである。マンモグラフィーは疼痛をともなうし、乳腺組織の発達した若年者には不向きであり、超音波検査は疼痛はないものの、石灰化病変に弱いなどの短所がある。PEMではそれらを補い、小型病変や非浸潤がんに対する診断能も十分にあることから、今後期待が高まっている検査法である。