1976年、アメリカから小児白血病患者を調べ、高圧線の近くに住むものはリスクが高いという症例対照研究が報告され、日本でも同様の結果が得られたため、低エネルギー電磁波の健康影響が問題となった。その後、携帯電話と脳腫瘍の関係も問題となった。脳腫瘍の患者782人と、良性疾患の入院患者799人を比較したアメリカ国立がん研究所のグループの症例対照研究によると、携帯電話の使用率は脳腫瘍患者では22%、それ以外の対照群では18%で、携帯電話によるリスク上昇は認められなかった。アメリカで携帯電話が使われ始めたのは84年からだが、広く普及し始めたのは90年代後半のため、長期間使った場合の影響については、まだわからない。電気毛布から発生する電磁界によって、乳がんリスクが高まる可能性も言われていたが、アメリカの看護師を対象にした大規模な調査では、はっきりとしたリスクの上昇はない。