胆汁は肝臓で作られ、左右の肝管、総肝管を通って胆嚢管から胆嚢に入り、濃縮された後で総胆管から十二指腸へと排出される。肝臓で作られた胆汁が、十二指腸へ流れ出る通路を胆道という。この胆道に発生するがんを胆道がんと称し、そのうち胆嚢管と胆嚢に発生するのが胆嚢がんである。胆嚢がんは、ほかの胆道がんと比べて女性に多い。腹部超音波検査(腹部エコー)が広く行われるようになり、無症状で、早期の胆嚢がんが見つかることも多くなってきた。胆石を合併することが多く、摘出した胆嚢に偶然、がん病巣が見つかることもある。進行した場合には、腹痛や胆汁の流れが閉塞し、黄疸が現れたり、腹部腫瘤で発見されることもある。治療は手術が原則だが、早期なら胆嚢摘出のみで終わる。ただし進行度に合わせて、肝臓や他臓器を合併切除することもある。化学療法、放射線治療もある。